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現在、日本では生活習慣病に悩む多くの患者さんがいます。そのうち糖尿病患者は予備軍をも含めると1620万人ともいわれ、その多さに驚かされます。しかし、それよりさらに患者数の多い生活習慣病があります。

それは高血圧。日本人の高血圧患者(病院で測る血圧の最高血圧が140mmHg以上、最低血圧90mmHg以上)は3800万人にも上ると推定されています。高血圧は自覚症状が少なく、多くの人が治療を受けてはいません。降圧薬によるコントロールや生活指導を受けるなど医師の治療を受けている人は約400万人にすぎないといわれています。

目覚める明け方ころから上昇して高くなる『早朝高血圧』

そんな高血圧の中に、より危険な高血圧のあることが、ここ2~3年前から指摘されるようになってきました。

それは『早朝高血圧』です。一般に血圧の日内変動は、ゆったりと眠りに入っている夜間は低下しており、目覚める明け方ころから上昇して高くなり、活動している日中は高く維持され、夕方以降から下降して眠りへと入っていきます。早朝の血圧が高めに変化するのはこの時間帯に交感神経が活性化し、からだを活動させるようにするからです。実際、早朝には血圧を上げるホルモンの「レニン・アンジオテンシン系」の分泌の多いことが確認されていますが、ここで問題となるのは血圧が高めに変化する早朝血圧域を超えて早朝に特に血圧が高くなるケースで、これを『早朝高血圧』といいます。

この時間帯には、実は突然死の多いことが分かっています。1989年、アメリカのミュラーらの研究では、朝6時ごろから心筋梗塞が増え、午前9時から11時ごろにピークを迎えます。心筋梗塞のみならず、脳卒中も朝方に起こることが多いのですが、最近、これが早朝の血圧上昇との関連性あることがわかってきました。このことから早朝高血圧の突然死リスクの高さに警鐘を鳴らしています。

しかし、実際に医師の前で血圧を測るのは、日中になってしまうので早朝高血圧は発見しづらいのです。そこで、患者自身に家庭で早朝に血圧を測ってもらうことで、『早朝高血圧』の有無は発見できます。

『早朝高血圧』は、心筋梗塞、脳卒中といった生命にかかわる病気の引き金になる可能性がより高く、その改善には症状に合わせた投薬方針や血圧をうまくコントロールした健康的なライフスタイルの継続がとても大切となります。